症例56 月経過多  女性30歳
 

主訴;月経量が多い、
既往症;胃炎、年に2.3回、ただれる
左耳下腺が時々脹れる、低血圧、十二指腸潰瘍
オメプラール、エフォチール(H17年8月より)のんでいる。

家族歴;Np
現病歴:子供二人(9歳7歳)出産したが出産後より月経は多かったが、最近は徐々に多くなり、夜用ナプキンでもあふれてしまい、布団が汚れてしまう、昼間も仕事中に2回あふれることがある。月経の2日目、3日目。
現代医学的所見
軽度子宮腺筋疑い(超音波検査にて)、子宮がん検診では異常ない。RBC409万、Hb12.6  Ht41.7  PL14.1万  血圧90/60
漢方医学的所見
生活歴>米2回、昼菓子パン、調理パン、食事味、砂糖多い、揚げ物多い、サラダ毎日、
水分1~1.5Lコーヒー3/日、便1/日、時に下痢する(生ものとか水分多いと、2-3/日)
尿7-8、睡眠11-6、運動10分/日、
眩暈、肩こり、いつも体が疲れやすい、風呂はいるとしんどい。口内炎できやすい、胃もたれ多い(夕食遅いとき、食べすぎのとき)
月経;量多い、血塊-、痛軽い、鮮紅色~暗紅色、生理前後に腰足だるい
舌;淡紅、薄黄苔、  脈;細や数
弁証、脾気虚、胃陰不足から虚火
経過
補中益気湯3包/日 飲み始めて最初の月経11/20~は量が前回より減る(煎じ薬は無理とのこと)、血圧82/60(78)甲状腺絹は正常範囲だった。同処方続ける。12月、1月と順調に回復して、夜用ナプキンでもあふれることはなくなった。2月にはオメプラール、エフォチールは中止する。
2年前より年に2.3回胃薬を連用している。H18年4月には胃痛起こり胃ただれているとのことで再び錠剤開始となるh18年11月までまで。生理過多のぶり返しはない。胃痛軽減目的に薬を続ける。h20年3月まで漢方(補中益気湯、六君子湯)続ける。飲んでいるほうが体が絡でしんどさがないとのこと。(煎じ薬はむりとのこと)
H18年11月以降、胃痛はなく、錠剤服用なくなる。
考察>
補中益気湯の出典は李東垣の「脾胃論」で「苟饮食失节,寒温不适,则脾胃乃伤,喜怒优恐,损耗元气。既脾胃气衰,元气不足,而心火的独盛。」とあり、補中益気湯は
手足倦怠,言語軽微、目勢無力などの元気不足で脾気下陥に使う方剤である。
本症例は下痢しやすく食後胃もたれしやすく、言葉に力なく、疲れやすいのは脾気虚であり、口内炎できやすく、食べ過ぎたり脈細数は胃の虚火をしめす。一般に月経過多は気虚、血熱、瘀血に分類されるが、本症例は気虚に近い。鑑別として芎帰膠艾湯、温清飲、帰脾湯がある。芎帰膠艾湯は血虚の出血が対象で、温清飲は血虚、血熱が対象で本症例には不適である。帰脾湯は補中益気湯と構成が似ているが、心脾両虚、脾不統血の方剤であり、不眠不安は少ないので酸棗仁、遠志を配合するよりも柴胡、升麻を配合するほうが適合している。
 
 
 
 
 
 
 
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