症例13 胃痛、うつ病    50歳女
 

主訴>胃痛、うつ、吐き気

現病歴>
38歳からうつ病で薬内服。H25年1月から、仕事すると胸が締め付けられるようになる。12月には仕事辞めたが家事してもしんどくて、動悸息切れ、冷え便秘。H26年4月1日、頭痛して嘔吐、一日中嘔吐する。その後から胃痛、吐き気が10日続いている。動くと動気、息切れ、疲れる。仕事と人間関係のストレス(気の使い過ぎ)が大きい。うつ病の薬は徐々に増量になった。
胃痛>頭痛して嘔吐は年に3.4回ある。いつもは頭痛と吐き気が多いが今回4/1ははいてしまった。それ以後10日、胃痛、吐き気が続く、胃痛は食前に多い、食べるとまし、いらいらでアップする。食後眠い、空腹感あるが食べられない、口渇して温飲をこのむ。
内服はセパゾン(1mg)1錠、トレドミン(2.5mgSNRI)2T、セレニカR顆粒(デパケン)1g、ベシケア(5mg)1T(過活動膀胱)、サイレース1T。センノシド3T。アイケア点眼、とフラにスト点眼、フルメトロン点眼。

生活歴>
夕食8時、朝食は食パン、マーガリン、ヨーグルト。昼はうどん菓子パン、麺類。夜は米とおかず。間食は4.5回/日、クッキー、チョコなどを2.3個。水分は口渇して1500cc/日、
白湯が多い。便はセンノシドを毎日のんでいる。3/日、軟が多い、泥状、臭い。残便感あるが3回出てやっと減る。腹痛あって便すると腹痛なくなる。3回出て痛み減る。
尿は20以上/日。夜間尿は3/日。勢いなく、薄い。
睡眠:11:30~6:30、本来寝つき悪いが薬(サイレース)で眠れる。断眠は3/日、トイレに行ってすぐ寝る。運動10分。姑、主人がストレス。

現症>1)全身   程度の強い症状は□
肩こり、全身がだるい、風呂でしんどい、足冷える(腹とひざ下もひえる)、冷え性、熱飲好き、疲れやすい、口干多飲(熱飲)
2)肝
目干燥、イライラ、頭痛多い(2/週は朝~晩、軽い、雨天で↑、風呂で↓)脇が張る、ため息多い、体一部ぴくぴく、不安感、やる気ない、憂鬱、不決断、驚きやすい
3)心
動悸、胸痛、物忘れ、頭がボーとする、息切れ、
4)脾
胃痛(数か月に一回あるが、今回は10日まえより持続)、吐き気、食後眠い
ガス多い、青あざできやすい、少し動くとくたびれる、最近体重が49→47.5
5)肺
鼻水ある。痰がでる(黄色、少、朝方に3/週、4月になってから)。喉がイガイガする。鼻炎になりやすい
6)腎
腰が痛い、小便の出が悪い、膀胱炎よくなる、集中力減る、精力減退、口干、子供の頃病弱、涼しいと手足が冷える、季節の変わり目に体調悪い。

月経>46歳で閉経
 月経は28で定期的、量普通、鮮紅色、血塊なし、経痛少し、経前にいらいら。
出産3回。
脈は左右とも沈細軟(72/分)
舌は淡紅、後半は白黄苔やや厚、前半は裂も少し、顫動あり。

心下痞、圧痛、硬くはない
この範囲は圧痛で喜按。腹力は軟。●は臍上動悸

弁証>陰陽両虚、脾胃不和<脾陽虚、胃気陰両虚痰湿>、肝気犯胃、肝胆気虚

その根拠は以下のとおり。


陰陽両虚(腎、脾胃)

口渇、熱飲、腹膝下冷え、寝つき悪い、断眠、腰痛、頻尿20以上/日。舌顫動、裂紋、臍上動悸、

脾胃不和
(脾陽虚、胃気陰両虚)から気血不足、痰湿。

心下痞、圧痛喜按。つかれ、だるい。食後眠い、動悸息切れ。
食前胃痛、空腹だが食べられない、白黄厚苔、脈細軟、臍上動悸、痰が朝出る。甘食多い、腹力は軟

肝気犯胃

イライラして胃痛。主人へのストレス多い

肝胆気虚

やる気ない、びくびく、不安

4/11>蜜炙黄耆8人参3白朮5乾姜2麦門冬5五味子2竜眼肉8沙参8百合8芍薬5麦芽8柴胡3炙甘草3+鹿角膠2
4/25
胃痛0/7、吐き気なし、空腹感あって食べれる、腰痛へった、
眠可、寝つき良好。サイレースはこの1週間のんでない。頭痛すくない。
少しやる気でてきた。セレニカは1/2減量して1週間。
尿19-23/日。腹診;中脘付近のみに心下痞、圧痛すこし、喜按。
舌淡紅、裂、後半の苔が薄白苔になった。脈沈細軟。
1月後にはセパゾン1錠、トレドミン2錠のみに減量。
3月後にはセパゾン1錠、トレドミン1錠
5月後にはセパゾン1錠、トレドミン1/2錠に減量。現在胃痛なく落ち込みは(-)、吐き気、頭痛は4回/2週程度で軽い。
その後、セパゾン、トレドミンは断薬で来て、胃痛なく、うつもなく落ち着いて、煎じ薬も終了になる。
 
 
 
 
 
 
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