当院は、漢方内科、婦人科の医院ですが、ほとんど煎じ薬を主体にした治療を行っています。

漢方のエキス剤(粉末の顆粒)もありますが、それで対応できるのは少数です。たとえば現在、病気の種類は3万種以上あり、西洋薬は2万弱種類あります。ところが、漢方エキス剤は約140種類です。しかも効果が薄いので、これで対応できるのは、限定された程度の軽い疾患にならざるを得ません。煎じ薬では生薬を組み合わせていくので無限に近い種類の処方が可能になります。

患者さんをみていると、病院で異常なしといわれても、つらい症状で悩んでいる人が大勢います。病名はわかっていても一向によくならないこともあります。そんな時、漢方医学で治療することで、よくなる場合があります。もちろんすべての疾患が良くなるわけではありませんが、しばしば逆転ヒットを打てることがあるのも事実です。私の使う漢方は主に中医学によります。 時には日本漢方、鍼灸を併用しています。中医学を行う医師は、愛媛県では数人しかおらず、中華人民共和国の正式な国際ライセンスをもっている医師は、愛媛県では今のところ私だけです。中医学ではあらゆる疾患をその対象としています。この学問は、これで学習の終わりというものがないので、仲間と共に研修しつつ(いよ中医研究会)、年に2回、中国にいっては、老師について学びつづけています。

   
  梅の木中医学クリニック 川又正之