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    ドクターエッセー 第13回  中医の資格  
 

しばらく、肩苦しい話が続いたので、今回は肩の凝らない話をしてみます。中医学界では、有名三大学の一つに上海中医薬大学があります。日本にその付属関西校があります。ここでは中医学の通信教育を行っています。2年間の通信教育と、毎日曜日に講義があり、卒業試験をクリアーしたら、国際中医試験があります。それに合格して国際中医師の資格が得られます。その後は上海中医薬大学へ短期研修や1年間の長期研修があります。なかには長期留学生として5年間大学で学ぶ日本人もいて、その後、中国で開業する人もいます。私は2000年に国際中医の第1期生になりましたが、その時の試験環境は結構厳しかったのを覚えています。シャーペンはダメ、鉛筆のみ。しかも自前はだめ。中国から試験官が持参した鉛筆です。消しゴムも同様で、自前はダメでした。中国といえば、大体がいい加減な国柄なのに、こと試験に関しては結構厳しい。昔の中国の科挙の試験ではカンニングが多かったので厳重に管理したと聞いています。そういう歴史から、恐らくこう言う風になっているのでしょう。

ただ、こうやって取得した中医師の資格は、日本では通用しません。そのジレンマに悩んでいる日本人の若者も多いようです。それで日本の医師資格を取ってから中医薬大学に入るものもいます。それなら、日本にかえって、応用できますが、漢方専門医の看板は出す事ができません。日本では西洋医学の専門医を取得してから初めて漢方専門医の受験資格を得られ、それから3年間研修して専門医試験に合格しなければなりません。アメリカの一部の州、オーストラリアの一部では、中国の資格を認めているので、そちらに流れていく人もあると聞いています。

去年、中国で研修しているとき、ヨーロッパから来た人たちと一緒に研修しました。

ドイツにある公立の中医学病院の研修生でしたが、みんなけっこう年配ばかりでした。聞いてみたら、彼らはすべて医者で、イタリア、スウェーデン、ドイツといろんな国から来ていました。診察する呂先生は英語を話せるので、彼の元に集まってきたようです。ただ中薬は中国語読みです。たとえば半夏5gはBAN4XIA4WU3KE4と発音します。それをパソコンにすぐ入力していくスピードにびっくりしました。別の老師、徐先生(写真中央)のところにも弟子の外人がいました。写真の左端がそうです。(僕は右端)こんな恰好で、外来に就いているのも驚きですが、イスラエルからやってきているのにも驚きです。達筆すぎる老師の文字がわからない時、彼からその漢字を教えてもらったことにも、またまた驚きでした。

中医薬大学で、日本人にもよく遭遇しますが、ほとんどは鍼灸師か薬剤師です。医師は本当に少ない。日本の医師の中にも、中医学を学ぶ者が増えてくるのを期待しているのですが、やはり、現実的には厳しいようです。

 
 
 
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