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    ドクターエッセー 第7回  一人旅  
 

この原稿が載るのは12月の予定です。これを書いているのは、10月18日、上海の旧フランス租界です。とても風情のある街です。1週間前、高松空港から約2時間かけて上海に着き、高速バス3時間で杭州に着きました。そこで1週間過ごし、明日帰国のため上海で一泊しています。松山からの上海便は利用したことがありません。春秋航空なら片道5000円です。実際は諸経費が加算されて往復22000円です。空港近くの駐車料金は7日以上海外にいると無料になります。これくらい条件が良いと高松から出発することになってしまいます。愛媛県人としては松山空港の上海便をもっと安くしてもらいたいものです。

高速バスで、横のインド人が、このバスは黄竜バスセンタ~に行くかと聞いてきた。「たぶん行かない」と答えると、インド人は運転手に尋ねて、「6時、6時」という。6時に黄竜につくと思ったらしい。しかし、運転手の中国語は、全く方言ばかりだったので、ほとんど意味不明であった。インド人に尋ねた。「運転手の話、わかったか?」インド人「わからない」という。「このバスは、そこへ行ったことがない。タクシーで行く心積りしている方がいい」と教えた。目的地は黄竜の近くかと聞くと、会社の宿舎の契約書を出してきて、行き先を教えてくれた。聞いたことがない。shaoxingの近くという。それも聞いた事がない。すると近くの中国人が「紹興」と教えてくれた。それは杭州から40kmほど離れた町である。彼はだんだん心配になり、再び運転手に聞き「六時、六時」と安心した。しかしバスが終点の武林広場につくと、彼は降りざるを得ず、運転手たちに「紹興、紹興」を連発していた。 外国を一人旅すると、言葉の壁ゆえ戸惑い、心細いものです。また風習の違いに面食らう。それ故、人の親切が身に染みます。これは日本国内の旅行では味わえないものです。僕が初めて1人で中国のホテルに行ったとき、午後7時でした。しかし6時までにチェックインしなかったので、キャンセル扱いされて予約の部屋はないと言われてしまった。その時、頭が真っ白になったのを今でも覚えています。また、勘違いもよくある。今回、旧フランス租界に泊まったのは、さだまさしの「フレディもしくは三教街」の歌に出てくる場所だと思ったからです。素敵な街という印象と歌詞の雰囲気を味わいたくて、選んだのです。(しかし後でわかったのだが、実はここではなく、武漢市の漢口にある旧フランス租界が正解でした。)

そういうわけで、インド人のことが気になり、ネットで調べてみました。長距離バスは夜8時半が最終で、黄竜からの便はありませんでした。また、高速バスは上海が始発ですが、上海から紹興いきの便がちゃんとありました。はたして彼はその日のうちに、目的地に行けたのでしょうか?今回の旅行で最も気がかりなことの一つです。

 
 
 
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