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   古方派(今の日本漢方流)と後世派(中医学流)の違い  
 

たとえば当帰芍薬散について、ツムラの手帳では「疲労しやすく、冷え症で月経不順、月経困難症、浮腫、眩暈の人に使用する。」とあります。つまり、この症状のいくつかが当てはまれば当帰芍薬散が使えるというのが古方派の考え方です。「症状から処方を選ぶ」のが特徴です。これは、とても簡単で便利な方法です。ただ効果あるときはいいのですが、実際は効かないことも多々あります。そのときどうすればよいか困ってしまいます。症状から処方に行きつく過程に、理論的説明がないからです。

中医学(後世派)では、まず水液代謝を次のように考えます。「脾は水穀の精微(吸収した栄養物質)から津液(水液)を吸収して上焦(肺など、横隔膜より上の部分)にあげます。それから肺の宣発粛降作用によって、全身に散布します。下方に降りてきた水液のうち不純なものは腎の作用で尿として出ていき、一方清なる物は、腎の蒸騰気化作用にて再び上焦へ散布します」そしてこの過程のどこかが乱れた時、むくみが起こると考えていきます。いわば、きわめて論理的展開をするのが中医学で、直観的、感覚的なのが古方派です。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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